『ドライであり続ける約束』を支える — ゴア認定工場のものづくり
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🎙 語り部の漫談「ドライを守る職人技」
さて皆さん、雨の日に羽織る一枚の上着が、最後の一滴まで体を濡らさずに守ってくれる。これは当たり前のようでいて、なかなかどうして大変なことでございます。今日はそのドライであり続ける約束を、陰で支える人たちのお話を一席。
GORE-TEXのプロダクトというのはね、どこの工場でも作れるというものではないんですな。ゴア社が認めた認定工場、そこでしか製造が許されない。なかなか厳しい世界でございます。
ところがここに、岡山県の『イー・エム企画』という工場がございましてね。ゴアが日本に進出したそのときから、認定工場として、ずうっと高品質なものづくりを支えてきた。古株でございます。
ところがですよ、認定されたからといって、すぐに大量生産、どんどん作りましょう、とはいかない。新しい製品はまず、はるばる深圳にあるゴアのテストラボへ送られましてね。
そこで各種のテストを受ける。これに合格して、ようやく生産開始。デザインを優先するあまり、不合格になることも多いというんですから、ねえ、厳しいお話でございます。
工場の中をのぞいてみましょう。生地を裁断するとき、普通なら二十枚ほど重ねて切るところを、ここでは多くても十枚まで。机の角は丸く削り、先のとがったはさみは使わせない。徹底しておりますな。
なぜそこまでするか。GORE-TEXのファブリクスというのはね、縫い直しがきかないんでございます。これが最大の難所。針で穴が開けば、もうそこから防水の力が失われてしまう。
そして一番難しいのが、縫い目にテープを貼る、シームシーリングという仕事。温度に圧力に、それから速度。このさじ加減ひとつで、防水になるかならないかが決まってしまう。職人泣かせでございます。
ですからね、毎朝その日の材料でテストピースをこしらえて、耐水圧の検査をする。昼休みが終わればまた検査。今日の調子はどうかと、一日に何度も確かめるわけでございます。いやはや、たいしたものだ。
担当の方がこうおっしゃる。『GORE-TEXファブリクスは、世界最高峰の防水透湿素材。限られた認定工場として、これを扱えることに誇りを感じている』とね。
誇り、という言葉。これは軽々しく口にできるものではございません。十枚までの裁断、丸い机の角、毎朝の耐水圧検査。その積み重ねの先にしか出てこない言葉でございます。
雨の日、上着のなかがからりと乾いている。当たり前のようなその一瞬の裏で、誰かが今朝もテストピースを作っている。ありがたいことでございますな……まあ、こちらは傘も差さずに濡れて帰る日もございますが。という、ものづくりのお話でございました。
📋 公式の回答
GORE-TEXプロダクトはゴア社の認定工場でのみ製造できる。岡山県の『イー・エム企画』はゴアの日本進出時から認定工場として高品質な製造を支えてきた。認定されてもすぐ大量生産はできず、新製品はまず深圳のゴアのテストラボに送られ各種テストに合格して初めて生産開始となる(デザイン優先で不合格になることも多い)。品質を担保する工程は厳密で、裁断では生地を最大10枚までしか重ねず(通常20枚程度)、机の角は丸く、先の鋭いはさみは禁止。縫製はGORE-TEXファブリクスが縫い直しできないのが最大の課題で、穴が開くと防水性が失われる。縫い目にテープを貼るシームシーリングが圧倒的に難しく、温度・圧力・速度の調整が防水性を左右する。毎朝その日の材料でテストピースを作り耐水圧検査、昼休み後にも検査して条件を確認する。担当者は『GORE-TEXファブリクスは世界最高峰の防水透湿素材。限られた認定工場として扱えることに誇りを感じている』と語る。
出典:GORE-TEX 記事『「GUARANTEED TO KEEP YOU DRY™」を支える。ゴア認定工場のものづくり』↗