未踏の壁に美しいラインを描く — アルパインクライマー鈴木雄大
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🎙 語り部の漫談「未踏の壁に描くライン」
さて皆さん、誰も登ったことのない壁、というものを想像してみてくださいまし。手つかずの、まっさらな岩と氷の壁でございます。
そこに、自分の意志でひと筋の美しいラインを描いていく。これがアルパインクライミングの醍醐味なのだと語る男がおりました。鈴木雄大さん、ペルーやパキスタンで未踏峰・未踏ルートを次々に登る、若手のアルパインクライマーでございます。
山との出会いは、早稲田大学の山岳部。ここから、この人の物語が始まるのでございます。
二十一の歳、ヒマラヤはアイランドピークに登頂いたしました。ところが、その下山の道すがら、心に火が灯る。
「次は、自分たちの力で、未踏の山やルートを登ってみたい」。ねえ、ここで満足しないのが、この人なんでございますな。
そして二〇二二年、なんと会社員を辞めまして、フルタイムのクライマーへ。覚悟の身一つでございます。
なぜそこまで未踏にこだわるのか。問われて曰く、「未知のものを解明していくのが面白いから」。実にあっさりとした、しかし真っ直ぐな答えでございます。
ネパールのラジョダダ、初登頂はなんと二十六時間の行動。アラスカのムーンフラワーバットレス、ペルーのアウサンガテ北壁、キタラフ南スパー、パキスタンのツイII峰、ハショーピークII……初登攀の数々を刻んでまいりました。
面白いのは、その挑むか否かの物差し。事前の調べで登れる確率が三割四割でも、現地に立って五割六割の手応えを感じれば、挑む。机の上ではなく、自分の肌で決めるのでございますな。
さて、過酷な壁を相手にするこの人が、信頼を寄せる一着がございます。THE NORTH FACEのアスリートとして自ら開発に携わった、ツイゾムピークジャケット。
わずか七デニールという薄い生地に、特殊なリップストップ。軽くて、丈夫。「どんな過酷な状況にも耐えられる安心感」、そして「ほかに替えが効かない」と申します。命をあずける道具とは、こういうものなのでございましょう。
二〇二六年の冬はアルゼンチンに身を置き、なおもグリーンランドやキルギスのビッグウォールへ目を向けている。
曰く、「世界の山の数を考えれば、まったく登り足りていない」。いやはや、なんとも底が知れません。ねえ皆さん、満たされてしまったら、その先のラインは描けない。手つかずの壁に美しいひと筋を描き続ける男の、これはそんなお話でございました。
📋 公式の回答
鈴木雄大は、ペルーやパキスタンで未踏峰・未踏ルートを次々に登攀する若手アルパインクライマー。早稲田大学山岳部に入部したことが山との出会いで、21歳でヒマラヤのアイランドピークに登頂。2022年に会社員を辞めフルタイムクライマーになった。未踏にこだわる理由は『未知のものを解明していくのが面白いから』。『誰も登ったことのない手つかずの壁に、クライマーの意志で美しいラインを描いていくことがアルパインクライミングの醍醐味』と語る。主な実績:2021年ネパール・ラジョダダ初登頂(26時間行動)、2022年アラスカ・ムーンフラワーバットレス、2023年ペルー・アウサンガテ北壁初登攀、2024年ペルー・キタラフ南スパー初登攀とパキスタン・ツイII峰西壁初登攀、2025年パキスタン・ハショーピークII東ピラー初登攀。THE NORTH FACEのアスリートとしてツイゾムピークジャケットの開発に携わり、7デニールの薄い生地と特殊なリップストップで軽量・高耐久。『どんな過酷な状況にも耐えられる安心感』を信頼し『ほかに替えが効かない』と語る。アイランドピーク下山時に『次は自分たちの力で未踏の山やルートを登ってみたい』と決意。事前調査で登れる確率が3〜4割でも、現地で5〜6割の可能性を感じれば挑戦する判断基準を持つ。2026年冬はアルゼンチンに滞在。グリーンランドやキルギスでのビッグウォール開拓に関心を示し『世界の山の数を考えれば、まったく登り足りていない』と述べている。
出典:GORE-TEX 記事『未知との出会いを求めて。アルパインクライマー・鈴木雄大を突き動かすもの』↗