🏔 ゴアテックス 〜挑戦者たち〜
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ゴアテックス 〜挑戦者たち〜 第3話

「大地は語りかける 〜雪山に生きる、二人の物語〜」

第3話 原語 英語 10:59

🎬 本編(縦型・約10:59)

AI音声(VOICEVOX:黒沢冴白)による朗読ナレーション。字幕・BGM・タイトルは本作オリジナル。 YouTubeで見る ↗

🎞 ショート(分割版)

この話を物語の切れ目で分けた縦型ショート(各3分以内)。1本ずつ単体でも見られます。

📺 原案となった公式動画

原案・映像の権利は GORE-TEX Brand Japan「Breaking Trails|エピソード3」↗ に帰属します(原語:英語)。本作はその内容を日本語で再ナレーションした翻案です。

📖 ナレーション全文

カナダ西部、リルワットの地。
天へと連なる白い峰々が、静かに雪をまとっていた。
先住民の言葉で、山を「スカイト」と呼ぶ。
土地を「トゥムフ」と呼ぶ。
それは、大地を吹き抜ける風の音を、そのまま写しとった言葉であった。

その雪の斜面を、二人が登っていた。
一人は、先住民の血を引く、女。
一人は、最愛の人を、雪山で喪った、男。
生まれも、背負うものも、まるで違う二人であった。

彼らを、雪山へ向かわせたものは、何だったのか。
これは、山に癒しを求め、山に語りかけられながら、
それぞれの悲しみと生きようとした、二人の物語である。

──女の名は、サンディ。

その冒険の人生は、生まれる前から始まっていた、という。
十七歳になるまで、ほとんど毎年、
アフリカ、ヨーロッパ、北米――
少なくとも二つ、時に三つの大陸を巡って生きてきた。

やがてトライアスロンの世界へ。
世界最高の選手たちと、汗を流した。
だが、コースに縛られるレースは、次第に窮屈になっていく。

女がたどり着いたのは、山であった。
走ること。クロスカントリースキー。
そして、スノーボード。

「厳しい努力のあとの、深い疲労感が好きなんです」
女は言った。
「努力が、報われるんですよ」

だが、その道は、平らではなかった。

子どもの頃、外へ出るといえば、
ベリー摘みであり、採集であり、狩りであった。
それが、外の世界とつながる、唯一の手立てであった。

十代の終わり。
女は、自分がアウトドアに属しているとは、感じられなかった。
カナダの山に、ガイドとして立つ先住民の姿は、どこにもなかった。

「ここはお前の居場所じゃない」
そう言ってくる者たちを、押しのけて。
壁を、突き破って。

「本当に、つらかった」
女は振り返る。
「でも一度それを乗り越えると、気づくんです。アウトドアは、いったい誰のためのものなのかと」

女には、二つの名があった。

一つは、叔父が授けた名。
「カルカロキク」。
文字どおり訳せば、「雷のライチョウ」。
アウトドアの中で、先住民がどう見られるか。
その見方を、変えてきた者へ。
力強い、その名を、叔父は授けた。

「だから、その名に恥じないように、生きなきゃ」

もう一つの名は、「イシャ」。
ペンバートン・バレー、ミラー・ベンチという地から来た、古い物語の名であった。

かつて、脚の使えぬ女がいた。名を、イシャ。
村人たちは、秋になると谷から山の頂へ登り、
狩りをし、採集をして、冬に備えた。

イシャは、いつも言うのだった。

「先に行って。次の野営地――山の上――で、合流するわ」

村人たちが、姿を消すやいなや、
イシャは、自らの守護動物である鷲を呼ぶ。
二羽の鷲が、空から舞い降り、その両肩をつかみ、
山の上まで、運び上げてくれる。

だからイシャは、いつも村人より先に、着いていた。
山々を、飛び回る女として、知られていた。

「私はいつも山にいるから、と叔父は言うんです」
女は微笑んだ。
「飛んではいないけれど――滑ってはいますね」

──男の名は、アダム。

男には、妻がいた。
名を、ローラ。
カルガリーで出会い、山での動き方を、多くを、彼女から学んだ。

「僕はいつも、目標志向だった」
男は言った。
「でも彼女は、もっと、没入型だったんだ」

ある日のこと。
二人で、斜面を登っていた。
頂上まで、あと数百メートル、というところ。

そのとき、ローラが言った。

「そろそろ、引き返そうと思う」

男は、答えた。
「でも、頂上はすぐそこだよ」

すると、ローラは言った。

「でも、いいスキーができるのは、ここまで。私たちは今日、スキーをしに来たんだから」

二〇二〇年、一月。
ロッキー山脈。

二人でスキーをしていた、その時。
雪崩が、起きた。
ローラは、帰らぬ人となった。

雪崩を引き起こしたのは、自分であった。

彼女のもとへたどり着くのに、
四十五分近く、掘り続けた。
掘りながら、ただ疲れを感じ、自分を怒鳴りつけていた。

「今、疲れてる場合じゃないだろう」
「ローラのところに、行かなきゃ」

だが、救えなかった。

長い人生を、共に歩もうと、計画を立て始めたばかりであった。
それが、あの一瞬に、終わった。

「本当に、めちゃくちゃな気持ちだよ」

──雪山を、二人は共に歩いた。

サンディと、アダム。
似た者どうしであった。
アウトドアを、山を、癒しの場として生きているという点で。

世代を超えて受け継がれる、トラウマ。
最愛の人を喪った、痛み。
形は違えど、二人は、その傷とともに歩いていた。

「悲しみや、喪失や、トラウマには、いろいろな形があります」
女は言った。
自分に欠けているものを認めながら、
それでも前へ進もうとする者を、女は深く尊敬していた。

男が、妻とかつてそうしたように、山を体感するとき。
きっと、彼女がすぐそばにいると、感じているはずだ、と。

女には、信じていることがあった。

「山にいるとき、私は一人じゃないって分かる」
「祖先がそばにいて、私の決断を、導いてくれている」

昨日、尾根で、冷たい風に吹かれていても、
女は、温かさを感じたという。
ここが自分の領土であり、
祖先が何世紀も旅してきた土地を、眺めているのだと、分かって。

かつて、リルワットの領土は、八十万ヘクタールを超えていた。
だが保留地がつくられたとき、
民は、そのわずか〇・〇〇四パーセントに、押し込められた。
寄宿学校は、若者を集め、文化と、言葉を、奪った。

失われた物語を、女は、探し始めた。
氷河の横断。大きな山岳救助。
その物語の中には、雪崩地形への注意や、
埋もれた人の見つけ方といった、小さな知恵が、
そっと織り込まれていた。

愛は、憎しみなしにはありえない。
喜びは、痛みなしにはありえない。
無理に乗り越えようとすれば、決して前へは進めない。

それは、山を征服する、という感覚に似ている。
もし喜びが「山を征服すること」だったなら、
豊かな体験など、決して得られない。

「悲しみは、克服できない」
女は、静かに言った。
「そうじゃなくて、それを、自分の中に、どう溶け込ませられるか、なんです」

大地はいつも、私たちに語りかけている――
その声を聴く者だけが、傷とともに、また一歩を、踏み出していく。

クレジット

原案
GORE-TEX Brand Japan「Breaking Trails|エピソード3」↗
音声
VOICEVOX:黒沢冴白(VOICEVOX)
背景映像
Adobe Stock #291779110
構成
AIによる翻訳・プロジェクトX風リライト・字幕・BGM(本作オリジナル)
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